年金だけでは暮らせない高齢者が増加!悠々自適な老後を送れない理由とは?

長年働いてきたにもかかわらず、年金だけでは生活が苦しく、定年後も働き続ける高齢者がいます。

物価や光熱費が上がるなか、悠々自適な老後を思い描いていても、生活費を稼ぐために仕事を続けなければならない人も少なくありません。

そんな高齢者ですが、年金だけでは暮らせない理由や、働き続ける背景には何があるのでしょうか。

今回は、Yahoo!ニュースで紹介された高齢者の実例をもとに、老後の生活が厳しくなっている理由や、働くことの意味についてご紹介します。

目次

年金だけでは暮らせない高齢者の現実とは?

出典:YouTube

長年働いてきたにもかかわらず、年金だけでは生活費をまかなえない高齢者がいます。

そんな高齢者ですが、実際にはどのような暮らしを送っているのでしょうか。

福島県いわき市で一人暮らしをしている阿部義秀さん(仮名・71歳)は、生活費を補うために新聞配達の仕事を続けています。

阿部さんの年金は、月10万円ほどです。

家賃や光熱費を支払うと、年金の多くがなくなってしまうといいます。

食費を抑えるため、スーパーで購入した総菜を昼食と夕食に分けて食べるなど、日々の出費を切り詰めています。

物価の上昇によって、以前よりも買い物の負担が増え、商品をカゴに入れても棚に戻してしまうことがあるそうです。

阿部さんは、新聞配達で得る収入がなければ生活できないと話しています。

このように、年金を受け取っていても、それだけでは生活費が足りず、働き続けなければならない高齢者がいるのです。

安定した会社で働いても老後の生活が厳しい理由

出典:日本経済新聞

若い頃から安定した仕事に就いていたとしても、老後の生活が必ずしも安心できるとは限りません。

そんな阿部さんですが、現役時代から老後の生活に不安を感じていたのでしょうか。

阿部さんは大学卒業後、旧国鉄の関連会社に就職し、25年間働きました。

就職先を選ぶ際には、長男として家族を支えることも考え、安定性を重視したといいます。

その後、故郷の福島県いわき市に住む父親が亡くなったことをきっかけに帰郷し、一人暮らしをする母親の面倒をみるため、9年間一緒に暮らしました。

母親が2011年に亡くなった後、阿部さんは自分自身の老後について考えるようになったそうです。

しかし、定年後に受け取る年金は、家賃や光熱費などの支払いでほとんどなくなってしまう状況でした。

さらに、過去の借金もあり、住居費を抑えるために高齢者の住居確保を支援するNPOの力を借りて、家賃が数万円のアパートに引っ越しました。

長年働き、家族のために生活してきた阿部さんですが、年金だけで安心して暮らせる状況ではなかったのです。

現役時代に安定した仕事をしていても、年金額や住居費、物価の上昇などによって、老後の生活が厳しくなる場合があることが分かります。

65歳以上の4人に1人が働く時代に

出典:ダイヤモンド・オンライン

定年後も働き続ける高齢者は、今や珍しい存在ではありません。

そんな高齢者ですが、実際にどれくらいの人が働いているのでしょうか。

記事で紹介された内閣府の「令和8年版高齢社会白書」によると、働く高齢者の数は22年連続で増加し、約940万人に達しています。

また、働く高齢者は労働力人口全体の13.7%を占め、65歳以上の約4人に1人が働いていると紹介されています。

その背景の一つに、一人暮らしの高齢者が増えていることがあります。

千葉経済大学の藤波美帆教授は、世帯構成の変化によって一人暮らしの高齢者が増え、1人分の年金収入だけでは生活が難しい人も増えていると指摘しています。

夫婦で暮らす場合と比べて、一人暮らしでは家賃や光熱費などの負担を一人で支えなければならないことも、家計を圧迫する要因になります。

こうした事情から、定年を迎えた後も収入を得るために働く人がいるのです。

ただし、高齢者が働く理由は、生活費を補うためだけではありません。

生活費だけではない!高齢者が働き続ける理由

出典:日テレNEWS NNN

高齢者のなかには、仕事を通じて人と交流したり、生きがいを感じたりする人もいます。

そんな働く高齢者ですが、仕事にはどのような魅力があるのでしょうか。

福島県郡山市に住む斉藤則子さん(78歳)は、野鳥の森学習館で来館者への案内や野鳥の解説、事務作業などを担当しています。

野鳥が好きだった斉藤さんは、12年前からこの施設で働いています。

もともとは特別支援学校の教員として働き、63歳まで子どもたちに理科や数学を教えていました。

その後、父親の介護に専念するために教員の仕事を離れ、看取りを終えたことをきっかけに再び働き始めました。

斉藤さんは、仕事を通じてさまざまな人と出会えることに喜びを感じているそうです。

また、仕事を始めたことで生活に良い緊張感が生まれ、毎日の張り合いにもつながったと話しています。

現在は週に1〜2回のペースで働き、80歳まで仕事を続けることを目標にしています。

藤波教授も、仕事そのものを生きがいにする人や、健康維持、社会貢献、人とのつながりを目的に働く人がいると説明しています。

つまり、高齢者にとって仕事は、収入を得る手段であると同時に、社会とのつながりや生活の充実感を得る機会にもなっているのです。

高齢者が安心して働き続けるために必要なこと

出典:Yahooニュース

高齢者が長く働くためには、本人の意欲だけでなく、無理なく働ける環境も欠かせません。

そんな高齢者ですが、安心して仕事を続けるためには何が必要なのでしょうか。

国は、高齢者の就業機会を確保するため、企業に対して65歳までの雇用確保を義務化しています。

さらに、人生100年時代を見据え、70歳までの就業機会を確保することも企業の努力義務としています。

しかし、年齢を重ねるにつれて、健康状態や体力、家族の介護など、一人ひとりが抱える事情は異なります。

藤波教授は、本人が働きたいと希望していても、健康上の問題や家族の心配などが壁になる場合があると指摘しています。

そのため、企業側には、勤務日数や勤務時間を調整したり、これまでの経験や能力を生かせる仕事を用意したりする配慮が求められます。

高齢者が無理をせず、自分の体調や生活に合った働き方を選べる環境づくりが重要なのです。

働けなくなったときの不安と老後の現実

出典:日本経済新聞

仕事を続けることで生活のリズムや人とのつながりを保てる一方、年齢を重ねるほど健康面への不安も大きくなります。

そんな阿部さんですが、これからの生活についてどのような不安を抱えているのでしょうか。

阿部さんは、新聞配達の仕事に慣れたことで生活にリズムができ、体の調子も良くなったと話しています。

しかし、その一方で、病気になったらどうなるのか、働けなくなったら生活をどう維持すればよいのかという不安も抱えています。

生活費を補うために働く人にとって、仕事を続けられるかどうかは、老後の暮らしを左右する大きな問題です。

年金だけでは生活が苦しいために働き続けたいと思っても、体力や健康状態によっては、いつまでも同じ働き方を続けられるとは限りません。

だからこそ、高齢者が安心して暮らすためには、年金や就労環境だけでなく、住まいや生活支援なども含めた仕組みが大切だといえるでしょう。

まとめ

今回は、年金だけでは暮らせない高齢者が増えている背景や、働き続ける理由についてご紹介しました。

記事で紹介された阿部さんは、月10万円ほどの年金だけでは生活費が足りず、新聞配達を続けています。

一方、斉藤さんは、野鳥に囲まれながら人との交流や生きがいを感じて働いています。

働く高齢者が増えている背景には、物価の上昇や一人暮らしの増加など、経済的な事情がある一方で、健康維持や社会とのつながりを求める気持ちもあります。

悠々自適な老後を送ることが難しい人がいる現実を踏まえ、年金や生活支援の充実に加え、年齢や体調に応じて無理なく働ける環境を整えることが大切なのではないでしょうか。

この記事を最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

また次回の記事もぜひご覧ください。

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