従業員退職で倒産が急増!5年連続増加の背景と人手不足の深刻な現状とは?

深刻化する人手不足が大きな社会問題となる中、従業員の退職が原因となる倒産が過去最多ペースで増えていることが明らかになりました。

そんな従業員退職による倒産ですが、なぜここまで増加しているのでしょうか。

また、賃上げできない企業が直面している厳しい現実も気になるところです。

今回は、従業員退職による倒産が5年連続で増加している背景や、人手不足が企業経営に与える影響について詳しく解説します。

目次

従業員退職による倒産は5年連続で増加し2026年は過去最多ペース

出典:帝国データバンク


2026年1月から7月までの従業員退職型倒産は83件となり、前年同期より約12.2パーセント増加し、このまま推移すれば年間で過去最多となる見込みです。

深刻な人手不足が続く企業経営です。

そんな従業員退職による倒産ですが、なぜ5年連続で増加しているのでしょうか。

帝国データバンクの調査によると、2026年1月から7月に判明した従業員退職型倒産は83件でした。

前年同期の74件から9件増加し、約12.2パーセントの増加となっています。

この傾向は2022年以降、5年連続で続いています。

前年は年間124件で初めて100件を超えました。

2026年はその記録をさらに上回る可能性が高いとみられています。

単なる人手不足ではなく、経験や技術を持つ従業員が退職することで事業そのものが立ち行かなくなる企業が増えている点が特徴です。

従業員退職による倒産は、人材不足が企業経営を左右する時代を象徴する動きとなっているようでした。

サービス業や建設業で従業員退職による倒産が目立つ理由

出典:Yahooニュース


サービス業22件、建設業20件、運輸・通信業12件と、人材確保が難しい業界を中心に従業員退職型倒産が増加しています。

地域を支えるさまざまな業界です。

そんな業界ですが、なぜ従業員退職による倒産が相次いでいるのでしょうか。

業種別ではサービス業が22件で最も多くなりました。

老人福祉施設や美容室などで人材不足が深刻化しています。

建設業は20件となり、1月から7月としては初めて20件台となりました。

現場で活躍する職人や営業担当者が退職し、工事を継続できなくなるケースが目立っています。

運輸・通信業も12件となり、前年同期を大きく上回りました。

特に物流業界ではドライバー不足が慢性化しています。

専門的な技術や資格が必要な職種では、退職した人材をすぐに補充することが難しい状況です。

そのため、一人の退職が企業全体の経営を揺るがすケースも少なくありません。

従業員退職による倒産は、人材への依存度が高い業界ほど大きな影響を受けているようでした。

賃上げできず従業員が退職し倒産へつながる企業が増えている背景

出典:YouTube


価格転嫁が進まず賃上げ原資を確保できない企業では、従業員の退職が相次ぎ、事業継続を断念するケースが増えています。

厳しい経営環境の中でも事業を支えてきた中小企業です。

そんな企業ですが、なぜ賃上げできずに従業員の退職が相次いでいるのでしょうか。

近年は原材料費や燃料費、人件費などのコスト上昇が企業経営を圧迫しています。

しかし、すべての企業が商品やサービスの価格へ十分に転嫁できているわけではありません。

その結果、賃上げに必要な資金を確保できない企業が増えています。

待遇改善が進まない企業では、より条件の良い会社へ転職する従業員が増える傾向があります。

実際に貨物運送を手掛けていた東海サービスでは、燃料費の高騰や受注環境の悪化によってドライバーの賃上げが難しくなり、退職者が相次いだとされています。

また、内装工事を手掛けていた五十嵐建設では、中核メンバーの独立や退職によって人手不足が深刻化し、最終的に事業継続を断念しました。

従業員の退職は単なる人員減少ではありません。

企業の技術やノウハウまで失われることで、経営そのものが立ち行かなくなるケースも増えています。

賃上げできない状況が続くことは、人材流出を招き、倒産リスクを高める大きな要因となっているようでした。

人材流出が経営リスクとなる時代に企業へ求められる対策とは

出典:帝国データバンク

帝国データバンクの調査では、正社員の人手不足を感じる企業は約2社に1社となり、人材確保と定着の両立が重要な経営課題となっています。

人材を大切にしながら成長を目指す企業です。

そんな企業ですが、人材流出を防ぐためにはどのような取り組みが必要なのでしょうか。

帝国データバンクが2026年4月に実施した調査では、正社員不足を感じる企業は約2社に1社となりました。

採用活動を続けても応募が集まりにくく、人材確保は以前にも増して難しくなっています。

その一方で、現在働いている従業員が退職することも企業にとって大きな経営リスクとなっています。

特に熟練技術者や管理職など、企業の中核を担う人材が退職すると業務全体に大きな影響が及びます。

さらに、けがや病気などで長期間離脱した場合でも、同様のリスクが生じるケースがあります。

今後は採用を強化するだけでなく、働きやすい職場づくりや待遇改善、人材育成を進めることが重要になるでしょう。

人材を確保する時代から、人材に長く働いてもらう時代へと企業経営は大きく変化しているようでした。

まとめ

今回は、従業員退職による倒産が5年連続で増加している背景についてご紹介しました。

2026年1月から7月の従業員退職型倒産は83件となり、このまま推移すれば年間で過去最多を更新する見込みです。

特にサービス業や建設業、運輸・通信業では、人材不足や人材流出が深刻な経営課題となっています。

また、物価や燃料費の高騰を価格へ十分に転嫁できず、賃上げ原資を確保できない企業では、従業員の退職が相次ぎ、倒産へ至るケースも増えています。

採用難だけでなく、今いる従業員に長く働いてもらうことが企業経営の重要な課題となっていることが分かりました。

今後も中小企業を中心に従業員退職型倒産が高水準で推移する可能性があるため、人材確保と定着に向けた取り組みがこれまで以上に重要になりそうです。

この記事を最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

また次回の記事もぜひご覧ください。

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