山岳救助隊が苦言!「2度遭難」で救助要請を繰り返す登山者の実態とは?

登山を楽しむ人が増える一方で、山岳遭難の増加が深刻な問題になっています。

特に救助された後、十分な安全確認をしないまま再び行動して、もう一度救助を要請する「2度遭難」が問題視されています。

世界的な登山家として知られる野口健さんも、救助隊員の命まで危険にさらす行動について苦言を呈しています。

では、なぜ「2度遭難」は起きてしまうのでしょうか。

山岳救助隊が直面している現実と、登山者に求められる心構えについて詳しく見ていきましょう。

目次

山岳救助隊が苦言を呈する「2度遭難」とは?

出典:日テレNEWS NNN

命を守る活動を続ける山岳救助隊。そんな山岳救助隊ですが、一度救助された登山者が再び救助を要請する「2度遭難」が相次いでいるのでしょうか。


1度救助された登山者が山を下りず、再び行動不能になって救助を求める事例が長野県内で発生しています。

「2度遭難」とは、1回の登山中に2回救助を要請するケースを指します。

2026年6月30日には、白馬岳の猿倉ルートで東京都の68歳男性が疲労によって行動不能となり、救助されました。

男性は近くの山小屋に収容されましたが、救助隊と一緒には下山せず、休んだ後に下山することを選びました。

ところが2日後、下山途中に再び疲労で行動不能となり、もう一度救助されています。

一度助けられた後だからこそ、安全な場所まで下山することの重要性が浮き彫りになった事例といえそうです。

白馬岳で「2度遭難」が相次いだ理由とは?

出典:日テレNEWS NNN

山岳救助に詳しい救助隊が対応する白馬岳。そんな白馬岳ですが、同じルートで「2度遭難」が相次いだのは、登山者の判断に問題があったからなのでしょうか。


長野県警は「技量に見合っていない山に登っている」ことを「2度遭難」が起きる理由の一つとして指摘しています。

男性の事例から10日後の7月12日にも、白馬岳の猿倉ルートで「2度遭難」が発生しました。

救助されたのはマレーシア人女性2人とシンガポール人女性1人です。

このうち2人は滑落や転倒によって負傷していましたが、痛みを我慢して救助隊に報告していませんでした。

その後、山小屋に収容されたものの、翌日に痛みで下山できないとして救助を要請しました。

結果としてヘリコプターによる救助が行われることになりました。

体力や技量、体調を十分に見極めたうえで登山することが、遭難を防ぐための重要なポイントになっているようです。

野口健さんが「救助も命懸け」と訴えた理由とは?

出典:Yahooニュース

世界的なアルピニストとして活躍する野口健さん。そんな野口健さんですが、「2度遭難」を繰り返す登山者に対して厳しい言葉を投げかけたのはなぜなのでしょうか。


野口健さんは救助隊員も命を懸けて捜索や救助に向かっていることを自覚してほしいと訴えています。

白馬岳での「2度遭難」を受け、野口健さんは救助する必要があるのかと疑問を呈しました。

さらに、山や救助隊員を軽く考えているのではないかという趣旨の苦言も発しています。

野口健さんは、レスキューを呼ぶこと自体が大変なことであるという認識が大切だと指摘しています。

救助隊員は遭難者を探すために危険な山へ入り、自分自身の命を危険にさらす場合もあります。

そのため、救助を受けた登山者には、救助隊員が命懸けで助けに来ていることを想像してほしいというのが野口健さんの考えです。

野口健さんの苦言は、救助を責めることではなく、救助要請の重さを改めて考えてほしいというメッセージだといえそうです。

山菜採りでも「2度目の遭難」が発生していた?

出典:日テレNEWS NNN

山の危険性を知る救助隊員。そんな救助隊員ですが、過去には山菜採りで「2度目」の救助となった男性にも対応していたのでしょうか。


2023年6月、長野県の笠ヶ岳で山菜採りをしていた高齢男性が救助され、今回が2度目の救助だったことが明らかになっています。

2023年6月、長野県の笠ヶ岳では、山菜採りをしていた高齢男性が救助されました。

男性はけがをしていたわけではありませんでしたが、一日中山菜採りを続けたことで足が動かなくなっていました。

救助隊がヘリコプターで救出する準備を進める中、男性は採取したネマガリダケを持って帰りたいと訴えました。

しかし、ヘリコプターから落下する危険があるため、救助隊は山菜を持っていくことを認めませんでした。

さらに男性が救助されるのは今回で2度目だと話したことで、救助隊員から改めて注意を受ける場面もありました。

救助される側と救助する側の危機意識に、大きな差が生じていたことがうかがえる事例です。

山岳遭難者が増加している背景とは?

出典:日テレNEWS NNN

登山人気を支える山々。そんな山々ですが、近年は遭難者が増加している背景にスマートフォンの普及やインバウンドの増加も関係しているのでしょうか。


警察庁のデータでは2025年の山岳遭難者は3623人となり、60代と70代の遭難者が多く、60歳以上が約半数を占めています。

2025年の山岳遭難者数は3623人となっています。

長野県の遭難者数は392人で、北海道の250人、山梨県の219人を上回り、国内でも特に多い状況でした。

また、遭難者の年代を見ると60代と70代が多く、60歳以上が全体のおよそ半数を占めています。

長野県警は、登山者が自分の技量に見合わない山へ入っていることを「2度遭難」の背景として指摘しています。

野口健さんは、インバウンドの増加に加えて、携帯電話の電波環境が改善したことで、スマートフォンから簡単に救助を呼べるようになったことにも言及しています。

救助を呼べる環境が整ったことは安心につながる一方で、準備不足のまま山に入ることへの心理的なハードルを下げてしまう可能性もあります。

「無料のタクシー感覚」にしないために必要なこととは?

出典:TBS NEWS DIG

登山者の安全を守る山岳救助隊。そんな山岳救助隊ですが、救助を「無料のタクシー」のように考えないためには、登山者自身が何を意識すればよいのでしょうか。


野口健さんは、救助を要請することの大変さと、救助隊員が命を懸けて活動している現実を想像してほしいと訴えています。

まず重要なのは、自分の体力や登山経験に合った山を選ぶことです。

さらに天候やルート、下山時間などを事前に確認し、無理な計画を立てないことも大切です。

体調に異変を感じた場合には、早めに行動を中止する判断も必要になります。

一度救助された場合には、救助隊員の助言を聞き、安全な場所まで下山することを優先することが重要です。

救助要請は命を守るための大切な手段ですが、救助する側にも大きな危険が伴います。

だからこそ、登山者一人ひとりが「救助されることまで含めて登山の計画を考える」という意識を持つことが求められています。

まとめ

山岳救助隊が問題視する「2度遭難」は、一度救助された登山者が再び行動不能となり、もう一度救助を要請するケースです。

白馬岳では2026年6月30日と7月12日に「2度遭難」が相次ぎました。

背景には、技量に見合わない山への登山や体調管理の不足などがあるとみられています。

野口健さんは、救助隊員も命を懸けて活動していることを理解してほしいと訴えています。

登山を楽しむためにも、自分の体力や技量を過信せず、無理をしない計画と判断を心がけることが大切だといえそうです。

この記事を最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

また次回の記事もぜひご覧ください。

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